映画・カメラを止めるな! 感想&考察と改善点と

アイキャッチ感想
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2018年公開の映画。キャッチコピーは、「最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる。」

全編で96分と短い映画だったため、夫と二人で見てみました。
※この後に出てくる映画内の時間は、プライム・ビデオ内の時間です。

あらすじ

とある郊外の廃墟でゾンビものの自主映画の撮影が行われていた。クライマックスシーンの撮影中、監督はヒロイン役の女優の演技に本物の恐怖が足りないと苛立ち、建物の屋上に血糊で禁忌のサインを描く。すると、カメラマンが血まみれのゾンビと化して、ほかの撮影スタッフも次々と犠牲になっていく…

感想&考察(前半)

この映画を見る前に、テレビで「絶対2度見たくなる」という煽り文句を見てしまいました…
「絶対2度見たくなる」=「何かしらのトリック(高確率で叙述トリック)が使われている」というネタバレです…


いつもなら、「日本の映画の宣伝は、本当に下手だ…」と思いますが、この作品に関してはそうとも言い切れません。
何故なら、序盤があまりにも冗長だからです。
正直、絶対2度見たくなると言われていなかったら、途中で見ることを止めていたと思います。

序盤は「ゾンビ映画を撮っている俳優とスタッフ一同」が映し出されます。
その後、本物のゾンビが出現し撮影スタッフが次々と襲われていく…という内容になっていますが、違和感の連続です。

・序盤、腕が投げ込まれた後に腕がちぎれた助監督が登場するが、どう見てもその腕の長さが合ってない、とか。(11分頃)
・ゾンビに襲われて主人公達がパニックになっているが、そのすぐ後ろで音声さんが身動きせずに座ったままでいる、とか。(12分頃)
・屋内にいる音声さんが「ちょっと…」と言って、ゾンビがいるであろう屋外に飛び出す、とか。(15分頃)
・監督がゾンビになった音声さんを主人公達のところに放り込むが、監督はどうやってゾンビになることを回避したのか?とか。(19分頃)
・カメラに付いた血を「誰か」がぬぐっている、とか。(20分頃)
・車で逃げるために、ゾンビからわざわざ車の鍵が入ったであろうポーチを奪ったのに、何故か車で逃げない、とか。(21分頃)
・助監督ゾンビがずーっと「うわー!」と言ってヒロインを追っかけているが、一向に襲う気配がない、とか。(22分頃)
・頭に斧が刺さった状態のメイクさんが急に起き上がり「何あれ?」と言って立ち上がるシーン、とか。(32分頃)
ゾンビになった主人公がヒロインの言う事をとても素直に聞く、とか。(33分頃)
・監督を斧でめった刺しにして、辺りには血が飛び散りまくっているのに斧に一滴も血が付いていない、とか。(35分頃)
・携帯の電波が通じないはずなのに、かなりの数の民家が映りこんでいる、とか(36分頃)

違和感が多すぎるため「ゾンビ映画を撮っている俳優とスタッフが本物のゾンビに襲われているホラー映画」だと思うことは途中から不可能になります。

謎解き、というほどでもないですが、決定的なシーンが一つ。
16分頃、カメラを構えた監督が、カメラ目線でこの映画における名台詞「撮影は続ける!カメラは止めない!」と言っています。
ということは、「カメラを撮っている人間が別にいる」ということです。

しかしながら、その他の登場人物がカメラに目線を合わせないことや、執拗にカメラを見ようとしないがカメラ近くの「何か」を登場人物全員が見つめたりすることから、映像の中の登場人物は俳優である、ということが分かります。

感想&考察(後半)

前半の違和感だらけの展開には理由があった、という言わばネタバレの部分。
色々思うことはありましたが、映画の作り方を見ることが出来たのはとても面白かったですね。
カメラの画角に収まらないところで、様々な努力があることがとてもよくわかりました。まるでマジックのようですね!

話を持ってきたプロデューサー的な人が途中で飽きているシーン(83分頃)はリアルで良かったです(笑)

本筋とは関係ないですが、監督の娘、私の苦手なタイプですね。
頭に血が上ると周りに迷惑をかけるという。
映画関係者にこのタイプが多いのだとしたら…映画が嫌いになりそうです…

改善点

この作品は、「前半は映像作品」「37分以降はドキュメンタリー」という2部構成。
つまりこの作品の肝は「ドキュメンタリーの部分でいかに嘘をつかないか」ということだと思います。

クレーンの代わりに組体操のピラミッドを作る(87分頃)のはまあいいとして、ピラミッドの2段目が頻繁に崩れる&崩れた先にマットが敷いているのは、さすがにリアリティに欠けるとしか言いようがないと思います。

ピラミッド関連で言うと、
組体操のピラミッドを見たことがない日本人はあまりいないと思うので「何あれ?」と言って起き上がるシーンも微妙です。
「何あれ?」という言葉は「見たことがないものを見た」時に出る言葉であって、「何やってるの?」ならば、まだ分かりますが…。

後、気になる所と言えば、監督が監督の奥さんの首を絞めるシーンがありますが、奥さんが落ちるのが早すぎます。(83分頃)
実は監督は何かしらの達人だったのでしょうか…

また、カメラは「不都合な真実」を撮ってはいけないのだから、ヒロインが屋上に逃げる途中で監督が「アクション!」と言って飛び出し、ぼこられるシーンがありますが(82分頃)、あれは「写してはいけない」ものでしょう。
(カメラが若いアシスタントだったから、とギリギリ言い逃れが出来るでしょうが…)



ハリウッド大作戦!やリモート大作戦!などの続編も出ているようですが、続編を見るのははちょっと遠慮しておきたいな…と思える作品でした。

見てよかった度:☆☆☆
また見たい度:☆
「ONE CUT OF THE DEAD」のドタバタしないバージョンを見てみたい度:☆☆☆



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以前から見たいと思っていたのですが、すっかり見忘れていました。

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