月原歩著【首無館の殺人】簡単な感想

感想
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月原歩さんの「首無館の殺人」を読みました。
サラっと読んだので、そんなに深い考察は出来ないけど…
率直な感想を書いていきます。

あらすじ

首のない死体が一つ。
浮遊する首が一つ…

没落した明治の貿易商、宇江榊家。
令嬢の華煉は目覚めると記憶を失っていた。家族が居て謎の使用人が現れた。館は閉ざされており、出入り困難な中庭があった。そして幽閉棟。濃霧立ち込める夜、異様な連続首無し事件が始まる。奇妙な時間差で移動する区部、不思議な琴の音、首を抱く首無死体。猟奇か怨恨か、戦慄の死体が意味するものは何か。首に秘められた目的とは。本格ミステリー。     

 新潮文庫裏表紙あらすじより

出ましたね! 堂々とした本格ミステリー宣言です!
ただ、私は最近この手の本格ミステリーに騙されてばかりです…
真剣に読むと脱力することが多いので、今回はサラっと物語として読んでいきます。



感想

いかにも本格ミステリらしい設定と登場人物達が良かったです。

主人公は初っ端から記憶喪失だし、それに対する周りの人間の反応は違和感だらけ。
ちぐはぐな手紙や、サイズの合わない服、奇妙な館に開かない扉、伏線らしきものがそこら中に散らばっています。
ありがちと言えばそれまでだけど、それはミステリの様式美みたいな部分もありますからね!良いと思います。

登場人物は少な目で覚えやすいです。
特に探偵役のメイドさんはかなり強烈な人で、常人ではついて行けないような提案をしていたり、面白いです。

ミステリの難易度としては簡単な方ではないでしょうか_?
ヒントも多いし、キャラもどんどん減っていくので、何となく犯人は察せます。
ただ、ちょいちょい「う~ん?」と感じる部分もあり、理詰めで解けるかと言われると疑問が残ります。
本格ミステリに真正面から挑んで犯人を当てたい! という人にはイマイチかも。
一方、深く考えず解決編まで一気に読みたい! という人にはちょうどいい小説だと思います。

感想(ネタバレあり!)

読み物として全体的には面白かったのですが、いくつか気になった点もあるのであげておきます。
ここから先は私の心の叫びです…。

・首実検てなに?
急に出てきた「首実検」という言葉…周知の言葉として登場人物が受け入れていて驚きました。
え?そんな有名な単語なの? と思って調べてみると…実際にある単語なんですね! 
私は初耳な単語でした。
首実検を即理解できる登場人物達凄いです。
この「首実検」の意義、実は読んでいる最中から私にはよくわかりませんでした…
どうして首は返されたの? 途中、メイドさんが説明していたけど、理解できず…
結果的に塔と主人公に対して行われたようですが…塔への首実検は理にかなっています。
でも、主人公に対する首実検て必要ですか?

・数年がかりの計画に共感できない
入れ替わり犯たちは、数年がかりの計画を立てています。
その間ずっと本物のふりをして過ごす気だったのでしょうか?
孤島で人に会うこともなく、(おそらく)仕事もしていない人物達のふりを数年間もする必要あります?
メイドを屋敷に受け入れず、主人公も幽閉してしまえばOKだったのでは? と思ってしまい、いまいち設定に馴染めません。
それともあれかな? 当主の役その他を演じて見たかったとか? それならすごく面白い人たちということで納得です。

・アリバイの指摘が一切ない
ミステリといったらアリバイの検証ですよね!
それが一切なかったのは流石にどうかと思います。
一応本格ミステリなら必要では。
探偵役のメイドさんにとってはその方が好都合でしょうから理解できますが、偽当主一味が全くアリバイを気に掛けないのは不思議です…
ちなみに…アリバイを考えてしまうと、2人目が死んでしまった時点で犯人が特定されます。


・守原首の移動
私の読解力が足りないのでしょうか?
守原さんの首の移動がイマイチよくわかりません。
犯人はどのように守原首を中庭から回収し、部屋に置いたのでしょう?

主人公&メイドは…浮遊する首を目撃→中庭に行き(鍵を盗んで入った)五郎と合流→偽当主の所へ→ベット上の首発見 という流れです。
一方犯人は…首を棟に渡す→五郎が空けた扉から侵入→五郎・主人公・メイドに見つからないように首回収&脱出→ベッドに設置→血痕を報告 という流れだと理解していたのですが…
 
この流れがあっているなら、東棟から南棟に直接続く血痕の意味がわからない! 
守原首は、東棟隠し部屋→塔→南棟ベッドと移動しているはずなのに、どうして東棟隠し部屋→南棟の血痕が付くのか…。 
その部分を読んで混乱しました。

余談
「館の住人入れ替わり系ミステリ」ってメジャーなのでしょうか?
たまたま最近読んだ別の本格ミステリがまさしくそれだったのですが…偶然?
ちなみに出版は「首無館の殺人」の方が早いけど、知名度は「最近読んだ別の小説」の方が圧倒的に有名です。
ミステリのネタが被るのはよくある事なので仕方ないのでしょうが。
短いスパンで引き当ててしまった自分が残念です。



まとめ

こんな感じに、色々と思う部分もありました。
なので本格ミステリとして真正面から読むと疲れるかも。

ただ、軽いミステリ・読み物として読むには楽しめました!
そして読み終わって知りましたが、この小説は「探偵メイドさん」の2作目だったようです。
今度1作目も読んでみようと思います。 そっちは真剣に謎解きしながら読んみようかな!

本 | こそぶろ (kosoburo.com)

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