第2話:コスモナウトについて。
本編は、25分56秒~です。
「コスモナウト」という単語を知らなかったので、調べてみたら「ロシア・ソ連の宇宙飛行士」のことだそうです。
※ちなみに第1話の感想はこちらからどうぞ。
あらすじ
舞台は鹿児島県種子島。
高校3年生の花苗ちゃんは、中学2年の春に東京から転校してきたクラスメイトの貴樹君に好意を持っていたが、その想いを伝えられずにいた。しかも、卒業を間近に控えながら自身の進路も決められず、趣味のサーフィンでもスランプに陥っていた。

しかし、一つずつできることからやると決めてサーフィンに挑み、ついに波の上に立つことができた。

その日、今を逃せば二度と気持ちを打ち明けられないと思った花苗ちゃんは、秘めていた自身の想いを貴樹君に告げようと決心する。しかし、想いを告げようとした瞬間、貴樹君から無言の圧力を感じた花苗ちゃんは告白することができず、貴樹君の優しさを悲しく思いながら帰り道に泣き出してしまう。そしてその時、2人の後ろで打ち上がったロケットを見た花苗ちゃんは、貴樹君が自分のことなど見ておらず、ずっと遠くにあるものを見つめているのをはっきりと悟るのだった。
結局その日の帰り道、花苗ちゃんは何も言えずに告白を諦めてしまう。そして彼女は貴樹君への想いが一生報われなくても、それでもなお彼のことがどうしようもなく好きだという想いを胸に、泣きながら眠った…
感想&考察
冒頭(26分23秒頃~)丘の上で男女が謎の天体を見つめる二人が出てきます。女の子の顔がよく見えないのですが髪が長いので第2話も明里ちゃんの話かな…と思いますが、コスモナウトのヒロインは別の人物です。
中学校2年生に東京から引っ越してきた貴樹君に一目惚れし、恋心を5年間育ませてきたサーフィン好きで、犬を可愛がり、ショート寄りのセミロングの花苗ちゃんが今作の主人公。
本を読み、猫を可愛がり、ロングの明里ちゃんとは対極の存在です。
あらすじにあるとおり、基本的には花苗ちゃんの胸キュンシーンが続きます。
貴樹君も誰かにポチポチメールを打っているので、「明里ちゃんと遠距離恋愛してるのか…」「花苗ちゃん、片思いか…!苦しいね!!」と胸が暖かくなります。
しかし、39分10秒に衝撃の事実が明かされます。
貴樹君「出すあてのないメールを打つ癖がついたのは、いつからだろう…」
…!?
衝撃の事実が明かされますが、何事もなかったかのように、39分21秒~場面が転換し、画面がグッと明るくなります。

これは、花苗ちゃんの気持ちが前向きになった心理描写の現れであり、このことからも、第2章の中心人物は花苗ちゃんであることが分かります。
第2話は花苗ちゃんの覚醒物語と言ってもいいのではないでしょうか。
第2話のキャスト紹介の時に、花苗ちゃんの方が貴樹君より上にきていますし(48分11秒)。
これはダメだ…貴樹君…
35分10秒~
遠野君を見つけた花苗ちゃんが遠野君に近づきながらする会話
花「遠野君の単車があったからきちゃった。いい?」
遠「うん。そっか。嬉しいよ。今日は単車置き場で会えなかったからさ」
…思わせぶりな態度とってるんじゃねーよ!!
まあ、高校3年生男子にそこまでの乙女心が理解できないのは仕方ないことなのでしょうか…
42分42秒~
告白を決意し、花苗ちゃんが頑張っているシーンです。
花苗ちゃんが顔を赤らめながら遠野君のシャツを引っ張る
→貴「(溜息)どうしたの?」
この対応が腹立たしい!!!!
分かってんだろ!!どうかしたからシャツを引っ張ってるんだよ!!
さらに、42分56秒~
花「優しくしないで」
貴「…えっ?」
絶対聞こえてただろ!!

43分34秒~
こうした流れの中、花苗ちゃんのバイクの調子が悪くなります。貴樹君は先にバイクで帰ればいいのに
貴「今日は歩こう」
花「えっ、あたし一人で帰るよ。遠野君は先に帰って」
貴「ここまできたら歩くよ。それにちょっと、歩きたいんだ…」
と、時間を作ることで告白待ちの時間をあえて自ら演出している…!!
悪い奴だ…
そこから話しかけることもなく淡々と歩く貴樹君…
その沈黙に耐えきれず泣き出す花苗ちゃんに対して「どうしたの?」と毒にも薬にもならないフォローしか出来ない…!!
その直後、ロケットが飛び立つことによってお茶を濁すことに成功しましたが、
貴樹君の恋が上手くいかないのは自業自得なんだな…と分かるシーンがふんだんに詰まっています!!
第2章で明らかになりますが、遠野君は明里ちゃんに電話もメールも送らないヘタレです。
かといって、明里ちゃんを忘れて花苗ちゃんと付き合うほどの勇気も持ち合わせていないところが痛いというか…
女々しい男はモテないですよ!!
時代を感じるシーン
31分56秒
二つ折り型の携帯電話!
フリック入力に慣れているスマホ世代からすると、指をポチポチする動作は理解できないのではないでしょうか?

34分31秒
お店の中でJ-POPが流れている(おそらく有線放送)
現代は、町で有線放送が流れていることが極端に減りましたね…
ちなみにこの歌は、26分58秒~、42分11秒にも流れますが、1996年発売の「LINDBERG:君のいちばんに…」
まさに、花苗ちゃんの心情を描いたような歌ですね。
間違い探し
時間 | 対象物 | 間違い | 正解? |
28分23秒 | AIR-INの消しゴム | okokuyo | PLUS |
31分14秒 | 英語の教科書 | NEW HOLIDAY | NEW HOLIZON |
31分43秒 | ヨーグルッペ | 女の子の顔がデフォルメされている | |
31分45秒 | お菓子 | わさビーフン | わさビーフ |
31分45秒 | お菓子 | ピザポテチ | ピザポテト |
31分45秒 | お菓子 | ポテトチッポ | ポテトチップス |
33分57秒 | 荷物を置いた箱 | キリリ | キリン |
34分46秒 | バイクのロゴ | NASDA | HONDA? |
37分29秒 | ロケット | 川菱重工 | 三菱重工 |

まだありそうですが、とりあえず見つけた分だけ。
細部への拘りに、やはり監督の作品への愛を感じます。
第2話:コスモナウトは、あらすじだけ見るととても奇麗な物語のような印象を受けますが、その裏で貴樹君の衝撃的なヘタレさが明らかになりました。
最終話となる第3話ではどのような展開になるのでしょうか?