新海誠が監督・原作・脚本・絵コンテ、および演出までを手掛けた2007年のアニメーション映画。
キャッチコピーは、「どれほどの速さで生きれば、きみにまた会えるのか。」
プライム・ビデオを何気なく見ていたら、発見しました!
以前から見たいと思っていたのですが、すっかり見忘れていました。
こういった様々な映画と出会えることもAmazonPrimeの魅力です。
プライム・ビデオを含むAmazonPrimeの魅力について、下記記事にまとめていますので参考にしてみてください!小さい子供がいる家庭にはとことんオススメです!
全編で62分と短い映画だったため、夫と二人で見てみました。
※この後に出てくる映画内の時間は、プライム・ビデオ内の時間です。
物語全体の概要
第1話:桜花抄(おうかしょう)
第2話:コスモナウト 25分56秒~
第3話:秒速5センチメートル 48分33秒~
の3部構成で作られています。
映画を見始めていきなり「第一話」と表示され、その後、桜花抄(おうかしょう)と表示されたため、違う映画を見始めてしまったのかな?と思ってしまいました。当時、映画館で見ていた人はかなり驚いたのではないでしょうか?
あらすじ
東京の小学校に通う貴樹君と明里ちゃんは趣味が似通っていて一緒に時間を過ごすことが多かった。

しかし、小学校卒業と同時に明里ちゃんは栃木へ転校してしまう。それきり会うことはなくなってしまうが、貴樹君が中学に入学して半年後、明里ちゃんから手紙が届き、それをきっかけに文通を重ねるようになる。
しかし中学1年の終わり頃、今度は貴樹君が鹿児島へ転校することになったため、明里ちゃんに会いに行く決意をする。約束の日、関東では大雪となり、貴樹君の乗った列車は途中で何度も長い時間停車する。しかも、乗り換えのホームで、明里ちゃんに渡す手紙を風に飛ばされ紛失してしまう。
深夜になって、ようやく貴樹君は待ち合わせの駅に到着する。人気のない待合室で明里ちゃんは待っていた。貴樹君と明里ちゃんは雪の降る中、桜の木の下で唇を重ね、近くの納屋の中で寄り添って夜を明かした。
翌朝、明里ちゃんは駅で「貴樹君はきっとこの先も大丈夫だと思う」と言って貴樹君を見送った。明里ちゃんも手紙を用意していたが、貴樹君に手渡せなかった。貴樹君は走り去る列車の中、彼女を守れるだけの力が欲しいと強く願いながら、いつまでも窓の外の景色を見続けていた…
感想&考察
・貴樹君(主人公)、明里ちゃん(ヒロイン)があんまり可愛くないな…
・君の名は、に比べると、色や登場人物の表情等が粗いな…
と思ったのが第1感です。
※作品全体を見終わると、「やっぱり貴樹君カッコいい!!」「表情等が粗いことも味だな…」と思えてきます。消えた年金問題で日本中が騒いでいた2007年、つまり12年前の作品だと思うと、とても綺麗です。
序盤、明里ちゃんが「すごく遠いところ」に引っ越すことになります。
大雪の話が出てくるため「北海道にでも引っ越したのか?」と思っていましたが、結局引っ越し先は栃木県。
東京から栃木まで、大人ならば遠くないと思うけれど、中学生にとってはものすごく遠い。
この辺りの「主人公が感じる距離感」を丁寧に描いていることは、この作品の魅力だと思います。
その後、貴樹君は自分の住んでいる東京からから明里ちゃんが住む栃木県に行くプランを練ります。

中学校1年生の貴樹君が考えたプランは以下のとおり。
豪徳寺 15:54分発
↓小田急線
新宿駅 16:26分発
↓埼京線
大宮 17:04分発
↓宇都宮線(久喜18:00着)
小山 18:23分発
↓両毛線
岩舟 18:45分着
19時待ち合わせ。
乗り換えが多いですね…。私は電車に乗り慣れてないので迷子になりそう…
当時の時刻表を調べられないので分かりませんが、帰りにかかる時間を考えると、会える時間は1時間程度しかないんじゃないかな…。
若しくは最初から泊まるつもりだった…!?

大雪の影響で電車は大幅に遅れます。
電車が遅れジリジリする貴樹君。ふと気を抜くと泣きだしそうになる貴樹君。とても繊細に描かれていると思います。
結局、目的地の岩船駅に着いたのは23:15分!!(19分38秒、待合室の時計より)
明里ちゃんは4時間以上駅の待合室で待っていたとは…!!健気…!!
中学生男女が、大雪が降る駅内で、23時50分(21分38秒、待合室の時計より)に、2人きりでいる状況を見ている駅員さんが、「そろそろ閉めますよ。こんな雪ですから気を付けて」としか言わないことに、多少のご都合主義を感じます…。
もしくは…時代なんですかね…。2007年は中学生の非行に寛容だった…?
その後、桜の木の下でチューした後、畑の脇にあった小さな納屋で過ごします…。
明里ちゃん、家に帰って死ぬほど怒られただろうなあ…。
チューした瞬間から貴樹君の心情が語られます。大事な部分なので、文字に起こしてみました。(22分44秒~)
その瞬間、永遠とか、心とか、魂とかいうものが何処にあるのか、分かった気がした。13年間生きてきたことの全てを分かち合えたように僕は思い、それから次の瞬間たまらなく悲しくなった。
明里のそのぬくもりを、その魂をどのように扱えばいいのか、どこに持っていけばいいのか、それが僕には分からなかったからだ。
僕たちはこの先もずっと一緒にいることは出来ないとはっきりと分かった。
僕たちの前には未だ巨大すぎる人生が、茫漠とした時間が、どうしようもなく横たわっていた
でも、僕を捉えたその不安は、やがて緩やかに解けていき、後には明里の柔らかな唇だけが残っていた。
何というか…何というかです…
時代を感じるシーン
主人公とヒロインの連絡を取る手段が『手紙』
現代は メール・ラインが手紙の地位を駆逐しましたね…
4分14秒
貴樹君が明里ちゃんの元に行くための電車経路を調べるために『時刻表』を購入しています。
現代ではスマホがあれば事前に調べる必要はありません。
それにしても、時刻表の読み方が分かる現代の中学校1年生はどれくらいいることやら…
因みに私も分かりません…

6分29秒
電車に乗る際、自動改札に『Suicaをタッチする場所がない』
電車に乗りなれてない人なら今でも切符を買いますね。私もSuicaは持っていません。
9分30秒等
電車内や電車の待ち時間に『文庫本を読む人達』が多数。
最近はあまり見かけなくなりましたね。皆、スマホを見てます。
9分50秒
明里ちゃんが貴樹君に連絡を取る際、『電話ボックス(公衆電話)』を使って、自宅の家電話にかけ貴樹君を呼び出すシーン。

10分7秒
主人公の部屋にさりげなく置かれている『スーパーファミコン』
懐かしい…!
11分11秒~
雪の影響で電車が遅れることへのアナウンスがあり、自分が立てた計画が使えなくなったことに焦りだすシーン。
+電車が遅れて到着が遅れていることを明里ちゃんに伝えられないため、目的地に向かうしかないシーン。
現代ならスマホで「到着が遅れるからゴメンね!」とラインすればOK。
16分34秒
自動販売機の金額が全て『110円!!』
最近、どんどん値上がりしていますからね…
間違い探し
時間 | 対象物 | 間違い | 正解? |
4分15秒 | 本 | 英語力のテスト1000 (人物の顔も微妙に違う) | 英語力テスト1000 |
4分15秒 | 本 | OHP文庫 | PHP文庫 |
5分35秒 | ノート | Camps | Campus |
5分42秒 | タバコ | KETT | KETT |
6分33秒 | 時計 | OCASI | CASIO |
7分23秒 | マック | nn | m |
8分32秒 | 看板 | ピッタカメラ | ビックカメラ |
8分39秒 | 改札 | viewy card | view card |
9分11秒 | 電車内広告 | MOORE | MORE |
10分1秒 | 雑誌 | 少年ジャプン (表紙がハッピーマン) | 少年ジャンプ ラッキーマン |
10分43秒 | トラック | call 0120 (アート引越センターのロゴ) | the 0123 |
10分54秒 | スタバ | STARBERKS COFFEE (ロゴも若干異なる?) | STARBUCKS COFFEE |
10分54秒 | ルミネ | LUNIME | LUMINE |
14分56秒 | トラック | the 0124 アード引越センター | the 0123 アート引越センター |
15分36秒 | 駅構内 | BACK’S | BECK’S |
16分14秒 | スピーカー | BASE | BOSE |
まだありそうですが、とりあえず見つけた分だけ。
細部への拘りに、監督の作品への愛を感じます。
第1話:桜花抄(おうかしょう)は作品の導入部分。とても楽しく見ることが出来ました。
第2話では衝撃の展開となります…!!