綾辻行人著「館シリーズ」をこれから読む人向け各種ランキング&もう読んだ人向け各種ランキング

感想
スポンサーリンク

1987年9月に講談社ノベルスから発行された十角館の殺人を皮切りに、現在9作の作品が世に出ているが書く「館シリーズ」。

10作目が出ればまた変わってくるでしょうが、世に出ている館シリーズを全部読み終わったので、勝手にランキングを作ってみました。

これから読む人向けのランキングと、もう読んだ人向けのランキングをしましたので、用途に合わせてお読みください。(もう読んだ向けランキングはネタバレを多数含みます)

これから館シリーズを読む人向けランキング(ネタバレなし)

館シリーズをどの順番で読もうか迷っている人向けランキング

十角館の殺人(館シリーズ1作目)
水車館の殺人(館シリーズ2作目)
迷路館の殺人(館シリーズ3作目)

これから館シリーズを読み始める人は、やはりまずは刊行順に読むことをおススメします。

それぞれの館の魅力は…ここでは書ききれません!!(気になる方は上のリンクからそれぞれの館の記事をお読みください)

「小説読むのは面倒なんだよな…」という方には十角館の殺人の漫画がありますので、こちらもおススメです。

作者との知恵比べを楽しみたい人向けランキング

奇面館の殺人(館シリーズ9作目)
黒猫館の殺人(館シリーズ6作目)
時計館の殺人(館シリーズ5作目)

古い推理小説には「読者への挑戦状」「作者からの挑戦状」がありましたが、それを彷彿とさせる作品です。
特に1位の奇面館の殺人は「論理的に考えればこの結論一つしかない!」と言えるほど、ものすごく綿密に全ての伏線を潰して結論を一本道にしています。
(しかしながら、館シリーズを「奇面館の殺人」から読み始めてしまうと「こんなのありか!」と戸惑ってしまう部分があるため、やはりまずは十角館を読むことをおススメします

2位の黒猫館は博識な人、3位の時計館は常識を疑える人ならば全ての謎を解くことが可能だと思います。

個人的にお勧めする館ランキング

十角館の殺人(館シリーズ1作目)
奇面館の殺人(館シリーズ9作目)
時計館の殺人(館シリーズ5作目)

第1位は十角館の殺人。
トリックの完成度の高さ・総ページ数・物語のテンポなどなど、本好きな人にも、本が苦手な人にも「これぞ推理小説」としてお勧めできる1冊です。

個人的な好みですが「名探偵が大活躍する推理小説」が好きなので、奇面館の殺人が第2位。
叙述トリックの質の高さ、提示された謎に対して論理的に謎が解ける構成の緻密さなど、魅力がたっぷり詰まった作品です。

十重二十重の仕掛けがあり、『館』が殺害方法・トリック・動機等と密接に関係しているという点で時計館が第3位。
閉ざされた空間で次々と殺人鬼が暗躍するという、『ザ・本格』の雰囲気も好きです。

講談社ノベルス「館シリーズ」の煽り文句が素晴らしいランキング

①時計館の殺人:神か悪魔か綾辻行人か!またまた驚愕の最終章。
②迷路館の殺人:この構想(アイデア)、この仕掛け(トリック)、この驚愕(ミステリー)
③暗黒館の殺人:シリーズ最大・最深・最驚の「館」、ここに落成!ミステリ作家・綾辻行人の全てがここに結実!

(番外編)十角館の殺人:まだあった大トリック、比類なきこの香気!

神と悪魔に作者を並べ立てるところ、驚愕を「ミステリー」と読ませるところ、最強を「最驚」と書くところ…
どの煽り文句も、何というか…安くて好きです!

ちなみに綾辻行人さんも迷路館の中で「はて、作者自身は、多分担当の編集者が作るのであろうこの種の大袈裟な「内容紹介」のことを、一体どういう気分で受け止めているものだろうか?…」と皮肉めいた文章を書いています。

個人的には番外編で挙げた「比類なきこの香気!」が好きです。
本の紹介で「香気」を使おうと思ったセンスが素晴らしいと思います。
「新本格ミステリー」誕生の香気がしていたのでしょう。

凶器に向いている館ランキング

①暗黒館の殺人(館シリーズ7作目)
②びっくり館の殺人(館シリーズ8作目)
③時計館の殺人(館シリーズ5作目)

本の厚さからこのような順位に。

暗黒館は、ぶっちぎりの第1位。
あの厚みで殴りかかれば相当のダメージを与えることが出来るはず!

私が読んだびっくり館の殺人はハードカバーだったため、第2位にランクイン。

3位は時計館か奇面館か迷ったのですが、トリックの重厚さから時計館を第3位としました。

ハートフル恋愛小説が好きなあなたにお勧めの館ランキング



残念ながら該当なしです。


以下ネタバレがあります!!

館シリーズをもう読んだ人向けランキング(ネタバレあり)

犯人の体力が多い館ランキング

十角館の殺人(館シリーズ1作目)
時計館の殺人(館シリーズ5作目)
水車館の殺人(館シリーズ2作目)

不眠不休なんて当然。体調不良を装うため水抜きまで行うという無限の体力の持ち主が堂々の第1位!

ほぼ不眠不休。時計で複数人を殴り殺すこと、百八個の時計全てを壊すこと、死体の移動などの力仕事が大変だったろう、という様々な点により第2位にランクイン。

3位は迷路館にするか迷いましたが、死体をバラバラにするのがものすごく大変だったでしょうから、水車館を第3位に。

驚かされた館ランキング

十角館の殺人(館シリーズ1作目)
時計館の殺人(館シリーズ5作目)
黒猫館の殺人(館シリーズ6作目)
暗黒館の殺人(館シリーズ7作目)

第1位は、やはり名言「ヴァン・ダインです」を生み出した十角館の殺人です。
島と本土、あまり交わりがなかった二つの世界をこの一言で綺麗に結びつけたのは見事としか言いようがありません!!
また、新装改訂版で新たな謎を放り込んでいる点に驚かされています。(気になる方はこちらをご覧ください)

第2位は「《旧館》の中で動いていた百八個の時計たちは、江南君のポケットにあった懐中時計も含めて、全てが一つ残らず、外よりも速いテンポで時を刻んでいた。普通の時計の一・二倍の速度で」(P420)という凄まじいトリックが用いられた時計館の殺人です。
表を書いて真剣に検討していた私にとって、このトリックは本当に度肝を抜かれましたね…

第3位は作中に全体を覆うぼんやりとした違和感に対し「(黒猫館と対になる)白兎館はタスマニアにある」という一言で全てを説明した黒猫館です。
また、実際には存在しない館の建物の構造などを完璧に構築し対にしている点にも驚かされました。叙述トリックと物理トリックの融合がお見事だと思います。

4位は暗黒館の殺人。
やはり文量に驚かされました。あそこまでの大作だと物語の辻褄をあわせるだけでもものすごく大変そうです。世に出していただいた綾辻行人さんの偉大さを改めて感じます。

実際に見てみたい館ランキング

①暗黒館
②時計館
③迷路館

第1位は間違いなく暗黒館です。
まずは暗黒館を構成する4つの館や、十角塔を外側から見てみたいです。もちろん惑いの檻も…
また、西館のダリアの部屋や北館の赤の広間も覗いてみたいです。
そして更に、中村青司が様々な館を建てるモチーフになった数々の品を見てみたいです。
欲を言えば、中村青司による改修前の暗黒館、改修後の暗黒館、燃える前の北館等も見てみたいですね。

第2位は時計館。
旧館にある数々の時計、トリックの元になった扉のからくり、そして長く続く秘密の通路…
もう崩壊してしまって見ることは出来ないですが、時計台も見たかったですし、「女神の歌声」を聴いてみたかったです。
一旦私が時計館に関する記憶を全てなくしてから、旧館の中で何日か過ごし、旧館内が夜の時間に秘密の通路を抜け納骨堂で強烈な日の光を浴びる、という驚愕の体験もしてみたいです。

第3位は迷路館。
外観を見ることは出来ませんが、館に入って迷路を体験してみたいです。
(迷路館、実際に住むとしたらほとんどのスペースは使わない訳ですから、宮垣先生くらいの大家でないと館の維持管理ができなそうです…

最後に

館シリーズの生みの親:綾辻行人さんのすごいなと思うところは、緻密な叙述トリックや尽きないアイデアなど挙げていけばきりがないです。
また、鹿谷さんやコナン君といった魅力的な登場人物を書き、読者にある程度人物像を認識させたところで、その人物すらトリックの足掛かりに使うところだと思います。(人形館しかり暗黒館しかり)

今後、こんなに素晴らしく質の高いシリーズに出会うことが出来るかどうかを考えると不安に思うほど、素晴らしい作品達と出合うことが出来て嬉しく思っています。
十作目が待ち遠しいです!

十作目に関して簡単な考察を書いています。興味がある方はこちらをご覧ください。

感想
スポンサーリンク
フォローする
スポンサーリンク
こそぶろ